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芝田 陵大; 天野 宰; 山田 博之; 宮地 紀子; 中村 仁宣
第44回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2023/11
原子力機構では、核物質防護是正処置プログラム「PPCAP」を2019年9月から導入し、PPCAP活動活性化のための取組みを継続的に実施してきた。その結果、導入から4年間で3,700件以上の是正活動に係るインプット情報を得て、必要な改善等に取組んできた。これらの活動を通じ、法令遵守や気づきの意識向上等、核セキュリティ文化を醸成してきている。本発表では、PPCAPによる是正活動、及びPPCAP活動活性化のための取組みについて報告する。
Zhao, Q.*; 樽田 泰宜; 小林 重人*; 橋本 敬*
知識共創(インターネット), 8, p.V 13_1 - V 13_2, 2018/08
Erikson(1989)は心理社会的な視点で、ライフサイクル理論という人間の発達課題についての理論を提唱している。そこでは成人中期に、ジェネラティビティという世代継承性という課題があるという。「世代継承」とは、次世代に知識や情報を伝承するものである。この際、次世代への関心を持つことや関与するという意識は重要であり、例えば、子育てのみならず組織や社会そのものを育成することも含まれる概念である。「ふげん」は、2003年に原子炉の運転を終了し国の認可を受けて廃止措置に移行しているが、職員がこれまで培ってきた多くの技術や知識は、これまでの「運転」とは異なる業務が含まれる。今後、多くの知識等を持った職員は定年退職を迎えるため、それらの継承も課題となる。例えば、世代継承性が向上しない場合は"停滞性"という後ろ向きの課題が生じる。こうした因子は廃止措置おいても重要になると考えられる。そこで、本研究では、原子力発電施設の職員の世代継承性という社会心理的な課題を向上させる仕組みについて考察することを目的とする。
齊藤 宏; 山口 正秋; 北村 哲浩
JAEA-Testing 2016-003, 68 Pages, 2016/12
SACT(Soil and Cesium Transport)は、福島第一原子力発電所事故後に地表に降下したCsを長期移行評価することを目的に、原子力機構が開発した土砂及びCs移行解析プログラムである。本プログラムは、既往のソフトウェア"ArcGIS"上で動作し、米国農務省を中心に開発された土壌流亡予測式"USLE"を用いて土砂の流亡土量を計算したのち、既往の計算式を用いて、砂に対して掃流砂の計算を、シルト及び粘土に対して浮流砂の計算を行う。さらに、各粒度の土粒子に吸着したCsの濃度比を考慮することでCsの移動量を計算する。SACTは、迅速に広範囲かつ長期の計算を行うことができるという特徴を有するとともに、着目する領域の土地利用や土壌、降雨特性等の地域性を考慮してパラメータの値を設定することにより、別途現場で取得されたデータを反映した計算を行うことも可能である。当マニュアルは、SACTが広く利用されるよう促進するとともに、利用方法、手順、注意点や最低限必要となる情報を提供するものである。
Soukhovitskij, E. Sh.*; 千葉 敏; 岩本 修; 柴田 恵一; 深堀 智生; Morogovskij, G. B.*
JAERI-Data/Code 2005-002, 78 Pages, 2005/03
軟回転体模型ハミルトニアンに基づくチャンネル結合光学模型によって原子核の集団励起構造と反応断面積を記述する計算コードOPTMANにおいて用いられている理論,数値計算手法と入出力フォーマットの説明を行う。同時に軟回転体模型によって原子核ハミルトニアンのパラメータを求めるコードSHEMMANの説明も行う。本研究は、国際科学技術センター(ISTCモスクワ)のプロジェクトB-521として、日本のサポートの下で行われている。本プロジェクトによりOPTMANにおける数値計算アルゴリズムは完全に改訂され、またユーザーフレンドリーなインターフェースが設けられた。
鈴土 知明; 鍋島 邦彦; 滝澤 寛*
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.500 - 509, 2003/12
原子炉運転監視システムを目的とした分散コンピューティング構築の新しい方法を提案する。この枠組みにおいて、運転監視システムは複数のモジュールとそれを管理する1つのクライアントから構成される。それぞれのモジュールはTTYベースプログラムとして設計されるため、その開発は容易である。クライアントは遠隔ホスト上のモジュールのインターフェースとして働く仮想モジュールを保持する。これらの仮想モジュールはオブジェクト指向プログラミングの意味でのクラスとして定義されるため、システム全体を容易に構造化することができる。プロトタイプとして、ニューラルネットワークを用いた監視システムを構築したところ、この方法の有用性を確認された。
内田 正明
JAERI-Data/Code 2002-012, 35 Pages, 2002/05
単純な1質点系モデル及び多質点系モデルを用いた耐震プログラム群SSAPを開発した。S波による横揺れ解析用プログラムは、大崎スペクトルのモデルに基づく模擬地震動作成プログラム,1質点応答スペクトル計算プログラム,1次元多質点モデルによる計算プログラムの3つから成る。これらによる計算結果を次の計算の入力データとして用いることにより見通しのよい逐次計算を行うことができる。この他に、直下型地震で「石が跳ぶ」現象の解析を主目的に、垂直方向のP波応答を計算する1次元多質点系解析プログラムを加えた。これらのプログラムの応用計算において、多質点系を1質点計算の重畳で近似できる条件について、また跳び石現象が起こる条件やそれによる応力についていくつかの知見を得た。
白川 敏彦*; 畑中 耕一郎
JNC TN8400 2001-027, 131 Pages, 2001/11
不均質多孔質岩盤中の水理/核種移行解析における入出力データ、実行手順を基本マニュアルとして取りまとめることを目的として、既存の不均質透水係数場作成コードの理論的背景と3次元水理解析コード、核種移行経路抽出コード、1次元核種移行計算コードからなる水理/核種移行解析プログラムの使用方法について調査した。本報告書では、調査結果に基づいて不均質透水係数場の作成に関する地質統計学的背景を説明した。さらに、不均質透水係数場作成プログラムおよび水理/核種移行解析プログラムのファイル構成、入出力データ、実行方法、実際の計算例を記載した。以上のように既存の不均質透水係数場作成コードおよび水理/核種移行解析プログラムの理論的背景と使用方法についてまとめることにより、上記の計算プログラムによる解析方法を手順化することができた。また、本報告書でまとめられた情報を活用することにより、自由に不均質多孔質岩盤をモデル化して水理/核種移行解析をすることが可能になった。
加治 芳行; Gu, W.*; 石原 正博; 荒井 長利; 中村 均*
Nuclear Engineering and Design, 206(1), p.1 - 12, 2001/05
被引用回数:9 パーセンタイル:56.08(Nuclear Science & Technology)工業用黒鉛材料は、引張荷重に対して非線形な応力-ひずみ挙動を示すが、これは材料内部において分布される微視的空隙とき裂の発生及び進展によって黒鉛材料の剛性が低下することによると考えられている。そこで本論文では、連続体損傷力学を脆性材料構造物の非線形弾性挙動の評価に適用し、構造健全性を損傷パラメータによって評価するプログラムを開発した。また黒鉛構造物を用いた健全性評価試験結果及び弾性解析結果との比較検討した結果、損傷力学を考慮することによってより高精度な損傷評価が可能なことが明らかになった。
佐藤 治夫
JNC TN8410 2001-003, 40 Pages, 2001/01
岩石などの単一層拡散媒体に対する透過拡散実験のシミュレーション及び解析のためのプログラム(TDROCK1.FOR)を開発した。プログラムは、科学技術計算に適しているPro-Fortranにより作成し、解析法として比較的簡単な陽解差分法を用いた。解析では、これまでに取扱うことができなかったトレーサセル中の溶質濃度の時間変化を入力条件とすることができ、トレーサセルから測定セル側への溶質の拡散に伴うトレーサセル中での時間に対する濃度の減少、媒体空隙水中の濃度分布及び測定セル中の溶質濃度の経時変化などを計算することができる。また、入力条件として、両セル中の溶液体積や試料の直径及び厚さをパラメータとすることもできる。本プログラムは、既に拡散係数(見掛けの拡散係数、実効拡散係数)が求められているケースについて測定セル中の溶質濃度の経時変化について検証した結果、実測結果をよく説明することができた。このことから、本解析プログラムが実際の解析やシミュレーションに適用できることが確認された。本報では、透過拡散実験における理論的取扱い、解析のためのモデル、ソースプログラム例及びマニュアルについて説明する。
川合 真紀; 小林 泰彦; 平田 愛子*; 大野 豊; 渡辺 宏; 内宮 博文
Plant Biotechnology, 17(4), p.305 - 308, 2000/12
細胞が自ら死ぬ能力(プログラム細胞死)は多細胞生物が有する基本的な生命活動の一つである。植物においてもプログラムされた細胞死は形態形成、耐病性、環境ストレス抵抗性の獲得等に重要な役割を担っているが、詳細は知られていない。植物における研究の立ち遅れの原因としては、細胞死誘導システムの確立が未完成な点があげられる。本研究では、イオンビームが植物細胞に壊死(ネクローシス)とは異なった細胞死を誘引することを見いだし、これが動物のアポトーシスと類似であることを明らかにした。実験では滅菌したトウモロコシ種子を寒天培地上に播種し、3日目に20Ne8+(350MeV)を照射した。アポトーシスのマーカーとされる核DNAの断片化を検出するため、照射2日目の植物の根から全DNAを抽出した。すると、非照射サンプルから抽出したDNAは高分子量体として検出されるが、照射体では約180塩基対を単位とする梯子状の泳動像が得られた。また、電子顕微鏡を用いた観察により、照射細胞では著しいクロマチン凝縮に加え、細胞質構造の崩壊、細胞の収縮などのアポトーシスの指標とされる形態変化が観察された。本研究によって開発された細胞死誘発システムを利用することにより、植物のアポトーシスの機構解明が大きく前進することが期待できる。
藤 敏弘*; 山崎 和彦
JAERI-Tech 2000-053, 27 Pages, 2000/10
従来、大型汎用計算機で処理されていた科学技術計算は、最近のワークステーション及びパソコンの高性能化・低価格化によって分散化が進み、ほとんどの処理はUNIXワークステーションやパソコンで処理できるようになってきた。今回、大型計算機のFortran環境で標準的に使用されている図形処理ライブラリ、PIFLIB,GGS,ARGUSについてのパソコンへの移植、及びパソコン版図形処理プログラムツールWINPIFの整備を行った。本報告では、これらの移植内容について記述する。
須藤 俊幸
JNC TN8200 2000-006, 443 Pages, 2000/07
2000年3月末に米国ニューメキシコ州アルバカーキ市で開かれた米国エネルギー省(DOE)の臨界安全技術プロジェクトワークショップ(NCTSP)に参加したので報告する。NCTSPは、DOE関係者の臨界安全に関わる者が、DOEの臨界安全プログラム(NCSP)の一環として情報交換や業務逐行上の改善点について議論の場をもつもので、毎年1回開催しているものである。参加人数は約100名強である。NCTSPの後には臨界安全に関するANS-8基準の更新、改訂、新規策定のための委員会会合が行われた。これらの会合への自由なコメントを歓迎するという立場から、外部の者も自由な参加ができる。NCSPは7つのタスク(臨界実験、ベンチマーキング、核データ、解析手法、データの適用範囲及び限界、情報保存と普及、トレーニングと資格制度)があり、それぞれの活動状況について報告された。また、東海村のJCO臨界事故に対するDOE、NRC及びその所管施設の対応、DOEのガイド(G)/オーダー(O)の改訂内容についての説明と議論などがなされた。会場の雰囲気はDOE臨界関係者の内輪の会議といったものであり、発表内容や議論については、組織、規制等の体系、プログラム・プロジェクトの名称やその計画等の背景情報が分からないと把握するのがむずかしい面があった。しかし、DOEといういくつもの核物質取扱施設を有する巨大な組織が、総体として臨界安全確保の維持と向上に努力を示す態度、継続的かつ体系的、実用的なプログラム活動には敬服させられるものがある。本ワークショップに関する背景情報やレポート類のほとんどがウェブサイトを通して公開されており、情報の共有化が図られている。本報告では、これらの関連内容も盛り込むとともに、参考として関連ウェブサイトのアドレスをできる限り記載した。
吉澤 道夫; 三枝 純; 吉田 真; 杉田 武志*
Proceedings of 10th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-10) (CD-ROM), 4 Pages, 2000/05
静電型加速器を用いた中性子校正場の設計及びエネルギースペクトル等の特性評価のためのモンテカルロ計算コードMCNP-ANTを開発した。高品質な中性子校正場を確立するためには、中性子ターゲットの最適設計と校正場のスペクトル評価等が重要である。現在、ターゲット中の荷電粒子の輸送から中性子の発生及び中性子の輸送計算までを一貫して行えるプログラムがない。このため、TRIM(SRIM)をもとに新たに荷電粒子の輸送と中性子の発生を計算可能なサブプログラムを作成し、汎用輸送計算コードMCNP-4Bに組み込んだ。荷電粒子の輸送に関するTRIMコードとの比較、及び既に報告されている単色中性子校正場のフルエンス率とスペクトルの測定結果との比較から、開発されたプログラムの妥当性が検証された。今後は、目的とする生成反応以外の核反応で発生する妨害中性子の評価が可能となるよう改良を行う必要がある。
菊池 圭一; 白井 隆夫*; 中沢 博明; 安部 智之
JNC TN8410 2000-012, 239 Pages, 2000/04
核燃料サイクル開発機構は、新型転換炉燃料及び軽水炉用のMOX燃料の開発を目的とした照射試験を数多く実施してきた。こうして得られた貴重なデータを統一的に整理・管理し、有効に活用するため、平成10年度に水炉用MOX燃料データベースの構築を開始した。これまでに照射試験データ及びそれに関連する燃料製造データの収集・整理、データベースシステムの設計、支援プログラムの作成を完了し、現在は優先度順にデータの入力作業を実施している。本データベースシステムは、パソコンのメニュー画面での操作を行うことが可能である。現在まで、11体の燃料集合体に関する約94,000件のデータの入力が終了している。今後、残りのデータの入力を行い、必要に応じてシステムに修正を加えることにより、本データベースの構築を平成12年度中に完了する予定である。本データベースの完成後には、関係部署でも活用できるようCD-Rでの配布を行う予定である。本報告書は、平成10、11年度作業をまとめた中間報告書であり、これまでに作成したデータベースシステムの構造を説明するとともに利用方法を解説した。
山中 伸介*; 阿部 和幸
JNC TY9400 2000-004, 78 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の挙動を把握するための基礎的研究を実施し、以下の結論を得た。プルトニウムをセリウムで代用した高速炉用模擬MOX燃料(U0.8,Ce0.2)O2にFPとして希土類元素及びジルコニウムを固溶させた模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を評価し、添加元素濃度依存性、温度依存性を明らかにした。(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を(U0.8,Ce0.2)O2の熱伝導度と添加元素濃度を用いた近似式で表現することができた。模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の機械的特性を試料中の音速とビッカース硬度から評価し、試料の弾性定数、ビッカース硬度及び降伏応力が添加元素濃度が増加するにつれて減少することを明らかにした。分子動力学法を用いて燃料の物性予測を、多相平衡計算プログラム"ChemSage"を用いて高燃焼度時における燃料中のFPの存在化学形態の予測を行なった。いずれの方法でも系のみを取り扱っただけであるが妥当な結果が得られた。
道野 昌信; 寺野 壽洋; 塙 幹男; 青木 裕; 大久保 利行
JNC TN9410 2000-004, 30 Pages, 2000/03
高速実験炉「常陽」では、プラントの安定かつ安全な運転と将来のFBRプラントの運転信頼性の向上に寄与することを目的として、運転保守支援システムを開発している。その一環として、プラント全体の運転管理業務を支援する運転管理システム(JOYPET:JOYO Plant Operation Management Expert Tool)を開発した。本システムでは、運転管理に必要な次の機能を順次開発して運用を開始した。1.文書管理支援機能2.操作禁止札取付管理支援機能3.工程管理支援機能4.作業可否判定支援機能これにより、プラント運転管理の信頼性の向上に寄与するとともに、管理に要する労力を大幅に削減することができた。
田村 一雄*; 入谷 佳一*
JNC TJ9440 2000-004, 22 Pages, 2000/03
確率論的安全評価において、事故シーケンスの発生頻度を求めるために、フォールトツリー/イベントツリー手法が広く使われている。しかし、従来の手法では、運転現場において実際に運転員が対峙している事象推移をダイナミックに取り扱うことができない。そこで、FBRを対象とした、緊急時運転手順操作とプラントの間のダイナミックな相互作用を扱う動的解析プログラム(DYANA)を作成した。これまでの開発の中で基本的な解析モデルは固まりつつあるが、計算時間の短縮が課題となっている。今回作業では計算時間を短縮するためにMPIを用いてDYANAの並列化を実施し、WSクラスタ上でほぼ理想値に近い並列化性能を実現した。
小山 和也*; 菱田 正彦*
JNC TJ9440 2000-002, 90 Pages, 2000/03
動的信頼性評価プログラムDYANAの開発に資するため、プラント動特性解析コードSuper-COPDを用いて、緊急時に想定される事故シーケンスの解析を行った。本作業では、昨年度作成の解析モデル及び入力データを使用して、DYANA整備に必要な事故シーケンスのうち昨年度未実施のPLOHS(Protected Loss of Heat Sink)シーケンス9ケースについて、入力データ作成及び解析を行い、その結果を整理した。
古閑 二郎*; 新里 卓史*
JNC TJ8400 2000-054, 48 Pages, 2000/02
再処理プロセスの運転において生成する微量成分のプロセス内挙動について数値シミュレーションを行なう上で、市販のダイナミカルシステムツールである"STELLA"の適用の可能性を検討した。前年度までの検討対象であったアジ化水素酸について、ヒドラジンと亜硝酸との反応から生成するアジ化水素酸について抽出器内の濃度の時間変化を"STELLA"でシミュレーションした。本シミュレーションでは、MIXSET-Xで各抽出器内の主要成分の定常濃度を求めた後、ヒドラジンと亜硝酸との反応から生成するアジ化水素酸について各抽出器内の濃度の時間変化を決定した。シミュレーションの結果は、前年度までの結果と同様であった。本研究の結果から、"STELLA"は微量成分のプロセス内挙動の数値シミュレーションに適用できることがわかった。
山田 澄*
JNC TJ8400 2000-051, 122 Pages, 2000/02
使用済み核燃料再処理工場等における安全性の確保のために、安価で即応性の良い臨界安全監視システムの開発が望まれており、基礎研究による知見を基に具体的な臨界安全監視システムとして実現することを目的として開発研究が進められている。本研究に用いている基本的手法は、未臨界体系で観測される中性子信号揺らぎをオンライン計算処理して未臨界度を推定しようとする試みであり、オンラインARMAモデル同定手法を安全監視システムに応用のためのシステム構成要素モジュールの開発、核燃料サイクル開発機構のDCA実験データ解析など実用化に必要となる知見の蓄積も行ってきたが、この間、Microsoft Windowsを基本ソフトとするDOS/V系パーソナル計算機の爆発的な普及により、NECを中心とするMS-DOS系の計算機がその地位を失い、今やMS-DOS系の計算機はその姿を消しつつある。本研究ではMS-DOS系計算機を用いたプログラム開発を行ってきており、その研究成果を今後も有効に利用するためには、これらを商業主義に左右されないOSに基礎を置くワークステーションに移すことが重要な課題となってきた。また、本研究で提案している臨界安全監視システムの設計基本思想は高信頼性、耐雑音性、そして高拡張性にある。近年エンジニアリングワークステーションの性能は飛躍的に向上し、且つ価格もかなり安くなっており、この様にめざましい発展を遂げている計算機に着目すると、信号解析、表示、警報信号発生に、それらのアルゴリズムをROM化したICチップを用いるよりも、高性能の計算機を用意し、各種の信号解析ソフトウェアや、必要に応じて他のシステム同定アルゴリズムを組み合わせた総合的信号処理システムとすることが望ましい。この様な観点から、臨界安全監視用プログラムをワークステーションに移植することは非常に重要である。そこで、今年度より、これまでMS-DOS系計算機上で開発された臨界安全監視用プログラムを順次年次計画を立ててワークステーション上に移植することとなった。今年度は、臨界安全監視システムの中心的ソフトウェアである逐次型ARMAモデル同定プログラム(ARMAX1)の移植作業を行った。なお、本報告書として自己完結性を保つため、理論的な未臨界原子炉のARMAモデル導出を示すとともに、逐次型ARMAモデル同定アルゴリズムに関する要点を再